カナダではよく労働組合のストライキが起こります。そして、コロナ禍以降インフレ率が上昇し続けていることもあり、2021年以降はその数は増加傾向にあります。労働者たちの要求は、「賃上げ」や「労働条件の改善」、更には「企業の運営の改善」というものもあります。
一方、日本においては、近年ストライキが起こる件数も減っており、ストライキが起こっているのを目にしたり経験したりすることはほとんどないため、あまり身近なものではないかもしれません。
日本のストライキの大半が半日以上か半日未満で、最近の事例でも長くてもせいぜい48時間程度ですが、カナダのストライキは数週間から1か月と長期に及ぶケースが少なくありません。そのため、日常生活に様々な不便や混乱が生じます。つい最近、私が働く空港でもある清掃会社の従業員よるストライキがあり、不衛生極まりない状況を目の当たりにしました。🧹

空港の外で「on strike」ボードを掲げ太鼓を叩く様はまるでお祭り騒ぎ?!
この数週間に渡るストライキのため、その清掃会社管轄の空港内エリアは日ごと酷くなり、中でも不特定多数の人が利用するトイレ内はゴミの山と化し、特に悲惨な状態でした。私の職場のゴミ捨て場も、どこへ置いて良いか分からないほど大量のゴミが散乱していました。日増しにその影響が大きくなる中、私もトイレを使用する際は、できるだけ使用頻度が少ないと思われるトイレを選んでいました。😂正直、このタイミングで空港を利用せざるを得なかったお客様は、本当に気の毒としか言いようがありません。 That sucks.💩



日本ではまず滅多にはあり得ない事なので、私にとっては本当に驚愕すべき出来事でした。その後、無事ストライキは終わり、現在は以前の清潔な空港に戻っています。🤩
余談ですが、空港内のある飲食系の会社がストライキに入ると、それ以外の空港内飲食系のお店は大繁盛となります!😁🙌
ところで、日本では団体行動権が認められていない公務員はストライキを起こすことはできませんが、カナダの公務員はそれが認められていることをご存じでしょうか?私はこちらに来て初めて知って驚きました。😲以下の2つは、カナダで最も規模の大きい公務員労働組合です。
PSAC(連邦職員労働組合):カナダ連邦政府の職員や大学、コミュニティサービス機関などの分野の労働者を代表している。もし政府職員によるストライキが発生すれば、移民局や税務署などのサービスにも影響が出るということになる。
CUPE(カナダ公務員労働組合):通称「キューピー」(名前がカワイイ)👶保健医療、教育、公共事業、運輸、緊急サービス、航空などの分野の労働者を代表している。私達の生活に関わる公共サービスを提供する彼らによるストライキは、私達の生活の質に直接影響を与えることになる。
SANTAさんへのお手紙さえも…💌🎅
昨年11月15日から約1ケ月間のカナダポストによるストライキは、カナダ国内外への郵送物配送にも大きく影響を及ぼしました。📮そのため、なんとも悲しいことに、子供たちからのSANTAへのお手紙さえも届けられなかったそうです。😔大人の事情で子供達の夢が叶えられないなんて!💢
That’s absolutely awful.😤
日本は労働組合と経営側が対立するよりも話し合いで解決を図る傾向が強いため、ストライキが起こることはほとんどないようです。また、社会に迷惑をかけることを嫌う日本文化において、企業も世間から批判を受ける可能性のあるストライキは避ける傾向にあります。一方、カナダでは長期に渡るストライキが頻発して一般市民に迷惑をかけること以上に、労働者達が自ら会社に対する要求を訴え改善を求めることがとても重要であり、その行為は容認され優先されるのです。今回の空港内でのストライキは、カナダのストライキ事情を知る良い機会となりました。👍
とは言え、やはり市民の日常生活に直接的な影響を与え世間からの批判を受ける可能性がある上、その期間中に滞った膨大な作業を後日一気に済ませなければならないことを考えれば、ストライキはせいぜい2~3日程度に留めておく方が賢明ではないか⁉️と日本人の私は考えてしまいます。🤔それにしても、外気温マイナスの冬空の下で連日長時間ストライキをするというのは、余程の覚悟と根性がなければ成し得ないことですよね。
by Sakana-chan from Canada
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